| タイトル |
日 時 |
恐怖の神には耳がない
その神が
さいごに耳を切り落とすという
道すがら
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2012/01/14 17:21 |
虫のように 星のように
きょうのひに
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2011/12/10 16:50 |
霜月の釣瓶
霜月の釣瓶
芋は煮ゆ
溶き入れられたる
荻のみつ
芋咲かせども
甘露にあらず
霜月の釣瓶
我覚ゆ
降り懸かりたる
言の塩
我を叱れど
辛苦にあらず
禅師説く
自己を習うは
自己を忘るる事なりと
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2011/11/22 02:19 |
Card Game
地面に立っているとはどういうことだろう。わたしの隣を蟻がゆく。その無意識は他の個体たちのしじまと深く結ばれて、計り知れない蒙昧の果てをちいさくちいさく刻みつづける。かぼそい脚がそれを雄々しく踏みしめるとき、雑多な菌が絶えず行き交う豊穣の土はうぬぼれず、洗浄されるわけもしらない。いかなる夢がいざなおうとも伏せられた札はめくらずにおけ。何時か振り返るときがくる。何時...
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2011/11/12 03:55 |
流星観測の夜
11月の霜のうえ
夜半もすぎて
あのひおもった
これではきっとしかたない
天球らしきなにかがおかれてしまっても
むりはない
凍てつくくうきに震わされ
首の痛みに詰め寄られ
あのひ
あのとき
そらをみあげて
あなたを待った
バッハではなく
さいしょの主題があわられるのを
じいっと待った
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2011/10/04 16:24 |
あかるいこころ
たぶん条件がふえるほど
それはここからとおのいていく
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2011/09/10 14:14 |
Evening Glory
ひとけない、
しずかな美術館にいた。
ふとしたときに、右手のこうが紅く染まった。
振り向いてみれば夕日があった。
そんなじかんになっていたかと前を向き、
海をみる。
水平線には影をみる。
靴の底からごつごつとしたコンクリートをかんじとる。
潮風がくる。
波がくる。
白い朝顔が裏返る。
そらでは落下傘になる。
顔をなくして漂いながら落ちている。...
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2011/04/18 14:13 |
うららか
窓のそとから4月の匂いがやってくる。それは何処かに湿った大地の忘れ形見を忍ばせて、陽射しのなかからふわふわとくる。きょうは桜が咲いている。とおい南で散り始め、北では蕾のままで咲く。たゆたうこころはゆっくりと円を描き出し、焦点がそこに重なり合うのをいまかいまかと待ち焦がれている。不意に視線を投げ出せば、とおい5月としらないうちにちからを増した太陽がいて、あの懐かしい薄紅色...
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2011/04/08 11:33 |
こうもり
こうもりは
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2011/03/04 23:55 |
試験飛行
たとえば何処に行きたいだろう。何気ない日々の隙間にそっと隠れたままの、あの意気地のない怪物の枷をいま取り外す。声なき呪文にしがみつかれて縮こまっているつばさをゆっくり広げさせ、その背に首尾よくまたがったのちは何処に飛ぼうか。
怪物の名はMという。臆病者だがふだんは敵だ。澄み切った青に不安をうっすら纏わせられて戸惑うそらをみてごらん。あれはおまえの故郷ではない。もっととおく...
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2011/02/08 04:37 |
鐘叩き
わたしが眠っているあいだ、あなたは鐘を打っていた。
ひとつを除いてなにもみえない暗闇に腕を振り上げて、きのうの希望の骸のうえには情け容赦なく脚を置き、なにかで濁った大河をすこしきにかけていた。
強迫のように波打つものは、瞬間ごとに大きさを変えるあなたの影だ。繰り返されるかぼそい通いはあなたの息だ。
風はそしらぬ顔で吹く。それはわたしの睫毛の先まで乾かして、いまは遥かな洋上にある。誰ひ...
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2011/01/26 19:35 |
Clouds
ゆうべ結んだ真実が、傾く日差しにもう色褪せる。誰かが嘘をついたのだろうか。ゆるい鼓動はちがうと言って首を振る。あなたの吐息はここにある影を咎めていった。漏れいづるものを塞いでいった。十分過ぎる酸素のなかで窒息しかけた儚い平行四辺形。倒れ掛かったあまいからだを鋼の右手はつよく支えた。その手のかたちで鈍い痛みが繰り返している。夕暮れ時をあるくわたしは長方形のふりをしている。誰かが嘘をついたのだろうか。浅い呼吸はちがう...
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2011/01/03 15:38 |
おくりもの
(クリスマスのあさ枕元でみたおくりもの。)
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2010/12/30 19:11 |
呼吸権
わたしは自発呼吸がしたい。ひとの肺には用がない。世界中をみてここにかえった木枯らしが、さいごの息を引き取るまえにわたしに言った。
「止めないで。」
止めたりしない。わかってる。早朝の霜に得体のしれない黒ずんだものが混じっていても、すれ違うひとの瞳のなかにただならぬものが宿っていても、通りの木々にあなたが着せた骨の髄まで吸い込みたい。そして世界に吐き出したい。まだ遅すぎない真冬の朝に。精一杯に輝きながら上がり切らないあの太陽に。
うんざりだ...
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2010/12/21 08:15 |
Ever Flower
ふたたびの無いせかいのその日、生まれた種から誤解のように開く花弁は幾重にも鬱ぎ色も無い。それは砂漠に打ち捨てられた薔薇の様子に倣いもするが、すでに術なくいかなる鼓動の通いもなくて荒れ果てている。あらゆるものから知られながらも誰もみえずにうずくまり、初めて出会うふたたびの日々をやむにやまれず顧みて、かつての夢は昏いしとねにひとり忘れておなじかたちの虚無をみている。
“Never...
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2010/12/07 04:16 |
小舟たち
死んでしまいたいとあなたは言います。
死ぬほどつらいと、あなたは言います。
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2010/11/23 09:06 |
Herring Bone
東京はもう蜜月じゃない。けさなんかひどく冷え込んで、流行遅れのヘリンボーンをあわてて引っ張り出したくらいだ。
Salfordはどう?吐く息がまるで煙草の煙みたいかい?こんな真っ青な冬空の下で、きみがときどきくしゃみをしたのをおもいだす。たまご料理がへたくそな、あのコーヒーショップのまえくらい。木枯らしがふくと通りの飾りがぱたぱたいった、居心地のいい街角あたり。
いまもこ...
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2010/11/06 13:42 |
ある実験
(おとついのtwitterのお話のつづきを、こちらに書かせていただきます。遅くなってしまってごめんなさい。)
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2010/10/27 14:20 |
蒼い馬
蒼い馬の背に跨って
出立したのはきょうのあさ
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2010/10/23 07:27 |
いつもの墓地の正門で
うんざりするほど晴れている。
だからきょう、
つくりものみたいな青空のもとで彼と会う。
いつもの墓地の正門で。
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2010/10/21 07:10 |